最近、金投資という言葉をよく耳にしませんか?
テレビやニュースで「金価格が過去最高値を更新」といった報道を見て、気になっている方も多いのではないでしょうか。2025年には金価格が1グラムあたり2万円を突破し、投資対象として改めて注目を集めています。
とはいえ、金投資と聞くと「どうやって始めればいいの?」「本当に儲かるの?」といった疑問も浮かびますよね。実は金投資には複数の方法があって、それぞれ特徴が違います。少額から始められるものもあるので、初心者でも無理なくスタートできるんです。
ここでは金投資の基本から具体的な始め方、メリットやデメリットまで、初心者の方にもわかりやすく解説していきます。
金投資とは?初心者が知っておきたい基本
金投資は株や不動産とはまた違った魅力を持つ投資方法です。まずは金投資の基本的な仕組みを理解しておくと、これからの話がスムーズに入ってきます。
1. 金投資の仕組み
金投資は、金という実物資産に対してお金を投じることです。金そのものを買う方法もあれば、金に関連した金融商品を買う方法もあります。
金は世界中で共通の価値を持つ資産として認められています。そのため、どこの国でも売買ができるという特徴があります。株式のように「会社が倒産したら価値がゼロになる」という心配がないんですね。
投資というと難しく感じるかもしれませんが、金の場合は比較的シンプルです。金の価格が上がったときに売れば利益が出ますし、下がったときに買えばお得に購入できます。この値動きを利用して資産を増やしていくのが金投資の基本的な考え方です。
2. 金の価格が決まる理由
金の価格は世界中の市場で日々変動しています。でも、何によって価格が決まるのでしょうか?
大きな要因は需要と供給のバランスです。金を欲しいという人が増えれば価格は上がりますし、売りたいという人が増えれば価格は下がります。特に世界経済が不安定なときは「安全資産」として金が買われやすくなります。
また、採掘コストの上昇も価格に影響を与えています。金の埋蔵量には限りがあって、採掘できる場所も少なくなってきているんです。そうした背景もあって、長期的には金価格は上昇傾向にあるといわれています。
為替レートも重要な要素です。金は国際市場ではドル建てで取引されるため、円高になると日本では金が安く買えて、円安になると高くなります。
3. なぜ今、金投資が注目されているのか
2025年現在、金投資への関心がこれまで以上に高まっています。その理由は金価格の上昇です。
実際、2025年には金価格が1グラムあたり2万円を超える場面もありました。2005年には約1,600円だったことを考えると、20年間で約14倍にまで上昇していることになります。この驚くべき上昇率が多くの投資家の注目を集めているんです。
世界的なインフレや地政学リスクの高まりも背景にあります。物価が上がり続ける状況では、現金の価値が目減りしてしまいます。そんなときに金のような実物資産を持っておくことで、資産を守れる可能性が高まるわけです。
さらに各国の中央銀行が金を買い増していることも注目されています。こうした大きな資金の動きが、金価格を押し上げる要因になっています。
金投資のメリット
金投資にはほかの投資にはない独特のメリットがあります。特に資産を守りたいという方には魅力的なポイントが多いんです。
1. 価値がゼロにならない安心感
金投資の最大のメリットは、価値がゼロになるリスクがほぼないことです。これは株式や債券との大きな違いです。
会社の株を持っていても、その会社が倒産してしまえば株券は紙くずになってしまいます。でも金は違います。金そのものに価値があるため、どんな状況でも一定の価値を保ち続けます。
人類は何千年も前から金を貴重なものとして扱ってきました。この歴史的な信頼性が、今でも金の価値を支えているんですね。だからこそ、資産を守るための保険のような役割として金投資を選ぶ人が多いんです。
初心者の方にとっても、この「価値がゼロにならない」という安心感は大きなメリットといえます。
2. 世界中どこでも共通の価値を持つ
金は国境を越えて共通の価値を持つ資産です。日本円やドルなどの通貨は国によって価値が変わりますが、金は世界のどこでも通用します。
たとえば海外に移住することになったとしても、金を持っていればその国で換金できます。これは通貨にはない大きな強みです。
グローバル化が進む現代では、この国際的な通用性が特に重要になってきています。日本だけでなく世界全体を視野に入れた資産形成を考えるなら、金は有力な選択肢になるでしょう。
また、特定の国の経済状況に左右されにくいという点も見逃せません。一国の経済が悪化しても、金の価値は世界市場全体で決まるため、リスク分散につながります。
3. インフレに強い資産として機能する
インフレが進むと物価が上がり、お金の価値は相対的に下がります。でも金はむしろインフレ時に価値が上がる傾向があるんです。
たとえば100万円を現金で持っていても、インフレで物価が2倍になれば実質的な価値は半分になってしまいます。一方、金で持っていれば価格も上昇するため、資産価値を維持できる可能性が高いんです。
2025年現在、世界的にインフレ圧力が続いています。こうした状況下で、金をポートフォリオに組み入れることの重要性が再認識されているわけです。
特に長期的な資産形成を考えている方にとって、インフレ対策は欠かせません。金投資はその有効な手段のひとつといえます。
4. 株や債券とは違う動きをする
金は株式市場とは異なる値動きをすることが多いです。これを専門用語で「逆相関」といいます。
株式市場が下落しているときに金価格が上昇することがよくあります。つまり、株と金の両方を持っていれば、どちらかが下がってももう一方でカバーできる可能性があるんです。
この特性を利用してリスク分散を図る投資家は少なくありません。すべての資産を株式だけに投じるのは危険ですが、金を組み合わせることでバランスの取れたポートフォリオを作れます。
投資の世界では「卵を一つのカゴに盛るな」という格言があります。金投資はまさにこの格言を実践するための有効な手段なんです。
金投資のデメリットとリスク
どんな投資にもリスクはつきものです。金投資も例外ではありません。メリットだけでなくデメリットもしっかり理解しておくことが大切です。
1. 利息や配当が発生しない
金投資の大きなデメリットは、持っているだけでは利益が生まれないことです。これは預金や株式との決定的な違いです。
銀行預金なら利息がつきますし、株式なら配当金がもらえることがあります。でも金はただ持っているだけでは1円も増えません。利益を得るには価格が上がったときに売却する必要があるんです。
そのため、金投資は短期的な利益を狙うというよりも、長期的な資産保全を目的として考えるべきでしょう。すぐに現金が必要になる可能性がある方には、あまり向いていないかもしれません。
ただし、価格上昇による利益(キャピタルゲイン)を狙えるという点では魅力があります。利息がないことをデメリットと捉えるか、それでも価値があると考えるかは投資の目的次第です。
2. 価格変動によって損をする可能性がある
金の価格は日々変動しています。当然、買ったときよりも価格が下がれば損をすることになります。
特に短期間での値動きは予測が難しいです。今日買った金が明日には値下がりしている、ということも十分にあり得ます。高値で買ってしまうと、なかなか利益を出せないまま長期間保有することになるかもしれません。
ただ、長期的に見れば金価格は上昇傾向にあります。短期的な値動きに一喜一憂せず、じっくりと構える姿勢が求められるんです。
価格変動のリスクを減らすには、一度に大量に買うのではなく、少しずつ分けて買う「積立投資」が有効です。これについては後ほど詳しく説明します。
3. 為替の影響を受けやすい
金は国際市場ではドル建てで取引されています。そのため、日本で金を買う場合は為替レートの影響を受けるんです。
たとえば円安が進むと、同じ量の金を買うのにより多くの円が必要になります。逆に円高になれば、お得に金を買えるというわけです。
為替の動きは金の価格とは別の要因で決まるため、予測が難しいのが悩ましいところです。金の国際価格が上がっていても、円高の影響で日本での価格はあまり上がらない、ということもあります。
為替リスクを意識しながら投資タイミングを考える必要があります。ただし、為替を完璧に予測するのは専門家でも難しいので、あまり神経質になりすぎないことも大切です。
4. 保管や手数料にコストがかかる場合がある
金を現物で持つ場合、保管場所の確保が必要になります。自宅に置いておくのは盗難のリスクがありますし、貸金庫を借りると年間2万円前後の費用がかかります。
また、金を売買する際には手数料がかかることも忘れてはいけません。金地金を買うときには「バーチャージ」という手数料がかかることもあります。500グラム未満の小さなサイズだと、この手数料の比率が高くなってしまいます。
純金積立の場合も、毎月の積立手数料が発生します。たとえば田中貴金属では、月3,000円から29,000円の積立だと手数料率は2.8%です。これらのコストも含めて利益を考えないといけません。
手数料を抑えたいなら、金ETFのような金融商品を選ぶのもひとつの方法です。現物を保管する必要がないため、保管コストがかからないんです。
金投資の種類:5つの方法を比較
金投資にはいくつかの方法があります。それぞれに特徴があるので、自分に合った方法を選ぶことが大切です。
1. 金地金(インゴット):実物を手元に持つ
金地金は金の延べ棒のことです。いわゆる「金の延べ棒」をイメージする方も多いでしょう。
金地金には5グラム、10グラム、20グラム、100グラム、500グラム、1キログラムなど、さまざまなサイズがあります。小さいサイズなら10万円程度から購入できるので、思ったより手が届きやすいんです。たとえば5グラムで約5万7,000円、10グラムで約10万9,000円という相場です。
実物を手に持てるという満足感は、金地金ならではの魅力です。自分の目で確かめられる安心感がありますよね。
ただし、500グラム未満だと「バーチャージ」という加工手数料がかかります。また、自宅保管は盗難リスクがあるため、貸金庫を利用する方が多いです。保管コストも考慮に入れておきましょう。
2. 金貨:少額から買える現物投資
金貨は金地金よりも小さく、手軽に購入できる現物投資です。投資用の金貨は「地金型金貨」と呼ばれています。
代表的な金貨には、カナダのメイプルリーフ金貨、オーストリアのウィーン金貨、アメリカのイーグル金貨などがあります。これらは世界中で流通していて、換金性も高いんです。
金貨の良いところは、デザインが美しく、コレクションとしても楽しめることです。投資と趣味を兼ねられるのは魅力的ですよね。
ただし、金貨には収集型のものもあって、希少価値がつくと金の価値以上の値段になることがあります。投資目的なら、純粋に金の重量で価値が決まる地金型金貨を選ぶのがおすすめです。
3. 純金積立:毎月コツコツ貯める
純金積立は、毎月一定額ずつ金を購入していく方法です。まるで積立預金のような感覚で金投資ができます。
多くの会社では月1,000円から始められます。少額からスタートできるので、初心者や若い方にも人気があるんです。毎月自動的に買い付けてくれるため、手間がかからないのも嬉しいポイントです。
純金積立の大きなメリットは、ドルコスト平均法の効果が得られることです。価格が高いときは少なく、安いときは多く買えるため、平均購入価格を抑えられます。
ただし、積立手数料がかかる点には注意が必要です。SBI証券なら2.16%、楽天証券なら1.65%といった具合に、会社によって手数料率が違います。長期間積み立てると手数料も馬鹿にならないので、比較検討しましょう。
4. 金投資信託:プロに運用を任せる
金投資信託は、投資のプロが金関連の資産を運用してくれる商品です。自分で売買のタイミングを考える必要がありません。
投資信託なら少額から始められますし、証券会社の口座があれば簡単に購入できます。金の現物を保管する必要もないため、手軽さという点では一番かもしれません。
また、金だけでなく金鉱株なども組み合わせた商品もあります。分散投資の効果を得やすいのもメリットです。
デメリットは信託報酬という運用手数料がかかることです。毎年一定の割合で手数料が引かれていくため、長期保有すると結構な金額になります。また、純粋な金価格の動きとは少しずれることもあるんです。
5. 金ETF:株のように売買できる
金ETFは金価格に連動する上場投資信託です。株式と同じように証券取引所で売買できます。
代表的な金ETFには、SPDRゴールド・シェア(1326)、純金上場信託(1540)、NEXT FUNDS金価格連動型上場投信(1328)などがあります。リアルタイムで取引できるため、価格を見ながら売買タイミングを自分で決められるんです。
金ETFのメリットは、保管コストがかからないことと、流動性が高いことです。売りたいときにすぐ売れるのは大きな利点ですよね。また、数千円単位から購入できるので、少額投資にも向いています。
信託報酬は投資信託よりも安い傾向があります。ただし、売買の際には証券会社の取引手数料がかかる場合があるので確認しておきましょう。
初心者におすすめの金投資はどれ?
5つの方法を紹介しましたが、初心者の方は「結局どれがいいの?」と迷ってしまいますよね。ここでは目的別におすすめの方法を提案します。
1. 少額から始めたい人には「純金積立」
投資資金があまり多くない方や、リスクを抑えて始めたい方には純金積立がおすすめです。
月1,000円から始められるので、お小遣いの一部を回すだけでも投資ができます。「いきなり大金を投じるのは怖い」という方にピッタリなんです。
また、毎月自動的に買い付けるため、買い時を悩む必要がありません。価格が高いときも安いときも淡々と買い続けることで、平均購入価格を平準化できます。これは初心者にとって大きな安心材料です。
貴金属会社や証券会社で簡単に口座開設できますし、手続きも難しくありません。まずは純金積立で金投資の感覚をつかんでみるのがいいでしょう。
2. 手軽さを重視するなら「金投資信託」か「金ETF」
手間をかけずに金投資をしたい方には、金投資信託や金ETFが向いています。
どちらも証券会社の口座があれば購入できますし、現物を保管する手間がかかりません。スマホアプリで簡単に売買できるのも魅力的です。
金投資信託は自動的に運用してくれるので、完全にお任せできます。一方、金ETFはリアルタイムで売買できるため、自分で売買タイミングを判断したい方に向いています。
どちらを選ぶかは好みの問題ですが、初心者なら投資信託の方がシンプルかもしれません。慣れてきたらETFにチャレンジしてみるのもいいでしょう。
3. 実物を持ちたい人には「金貨」
「やっぱり実物を手に取りたい」という方には金貨がおすすめです。
金貨は金地金よりも小さくて保管しやすく、デザインも美しいので眺める楽しみがあります。投資だけでなくコレクションとしての価値も感じられるんです。
メイプルリーフ金貨やウィーン金貨なら、世界中で認知度が高く換金性も良好です。いざというときに売りやすいのは安心ですよね。
ただし、保管には十分注意してください。自宅保管なら金庫を用意するか、貸金庫を利用するのが賢明です。盗難リスクを考えると、あまり高額なものを自宅に置くのは避けた方がいいかもしれません。
金投資の始め方:具体的な手順
実際に金投資を始めるときの手順を見ていきましょう。難しそうに感じるかもしれませんが、意外とシンプルです。
1. どの投資方法にするか決める
まずは前述の5つの方法から、自分に合ったものを選びます。判断のポイントは以下の3つです。
- 投資に回せる金額はどれくらいか
- 実物を持ちたいか、金融商品でいいか
- 手間をかけたくないか、自分で管理したいか
予算が少ないなら純金積立や金ETFがいいでしょう。実物が欲しいなら金貨や金地金を検討してください。
また、複数の方法を組み合わせるのもありです。たとえば純金積立で毎月コツコツ貯めながら、余裕があるときに金貨を買うというスタイルもおすすめです。
自分のライフスタイルや投資の目的を考えて、無理のない方法を選びましょう。
2. 証券会社や貴金属商で口座を開設する
投資方法が決まったら、次は口座開設です。金投資信託や金ETFなら証券会社の口座が必要です。
主要なネット証券会社(SBI証券、楽天証券、マネックス証券など)なら、どこでも金関連商品を取り扱っています。口座開設は無料ですし、オンラインで完結するので手軽です。
純金積立を始める場合は、田中貴金属や三菱マテリアルなどの貴金属会社で口座を開設します。または証券会社でも純金積立を扱っているところがあります。
金地金や金貨を買う場合は、貴金属商や宝石店、デパートなどで直接購入できます。この場合は口座開設は不要で、その場で現金やクレジットカードで支払えます。
3. 購入金額や積立額を設定する
口座が開設できたら、いくら投資するかを決めます。無理のない金額から始めることが大切です。
純金積立なら月1,000円から設定できますが、手数料率を考えると月3万円以上がお得です。ただし、最初は少額から始めて、慣れてきたら増額するのもいいでしょう。
金投資信託やETFは、証券会社のサイトやアプリで購入金額を入力します。最低購入金額は商品によって異なりますが、数千円から買えるものが多いです。
金地金や金貨は、実際にどのサイズ・種類を買うか選びます。初めてなら小さいサイズから試してみるのがおすすめです。
4. 実際に購入を開始する
設定が終わったら、いよいよ購入開始です。純金積立なら指定した日に自動的に買い付けが行われます。
金投資信託やETFは、証券会社の取引画面から注文を出します。株式の売買と同じような流れなので、株取引の経験がある方ならすぐに慣れるでしょう。
金地金や金貨を店頭で買う場合は、身分証明書を持っていきましょう。200万円を超える取引では本人確認が法律で義務付けられています。
購入後は定期的に価格をチェックする習慣をつけるといいですね。ただし、短期的な値動きに一喜一憂せず、長期的な視点を持つことが成功のカギです。
金投資で失敗しないための注意点
金投資で失敗しないためには、いくつかのポイントを押さえておく必要があります。
1. 分散投資を心がける
金投資だけに全財産を投じるのは危険です。資産運用の基本は分散投資です。
金は確かに価値が安定している資産ですが、価格が下がる可能性もゼロではありません。そのため、株式や債券、預金など、複数の資産に分けて投資することが重要なんです。
一般的には、資産全体の5〜10%程度を金に配分するのが適切といわれています。もちろん年齢や投資目的によって最適な比率は変わってきますが、あまり偏らせないことが大切です。
「卵を一つのカゴに盛るな」という投資の格言を思い出してください。リスクを分散させることで、安定した資産運用ができるようになります。
2. 高値掴みに注意する
金価格が急騰しているときは、つい飛びついてしまいたくなりますよね。でもそこが落とし穴です。
価格が最高値を更新したというニュースを見て買うと、その後下落して損をすることがあります。いわゆる「高値掴み」という状態です。
これを防ぐには、価格が安定しているタイミングを待つか、純金積立のようにタイミングを分散させる方法が有効です。一度に大量に買うのではなく、少しずつ買い足していけば、平均購入価格を抑えられます。
「みんなが買っているから」という理由で飛びつくのではなく、冷静に判断することが大切です。
3. 信頼できる会社を選ぶ
金投資では、取引相手の信頼性も重要です。特に現物を買う場合は注意が必要です。
老舗の貴金属会社や大手証券会社なら、まず問題ありません。田中貴金属、三菱マテリアル、SBI証券、楽天証券などは実績があって安心です。
逆に、聞いたことのない会社や、異常に安い価格を提示している業者には注意してください。偽物をつかまされたり、高額な手数料を請求されたりするリスクがあります。
口コミや評判を事前に調べておくのも大切です。信頼できる会社と長く付き合っていくことが、安全な金投資の第一歩です。
4. 長期保有を前提に考える
金投資は短期的に大きな利益を狙うものではありません。長期的な資産保全を目的とすべきです。
短期間で売買を繰り返すと、手数料ばかりかかって利益が出にくくなります。また、短期的な価格変動は予測が難しいため、タイミングを見極めるのも困難です。
金は長く持つことで、その真価を発揮します。インフレや経済危機から資産を守るという本来の目的を忘れずに、じっくりと保有しましょう。
「今すぐ儲けたい」という気持ちは一旦置いて、10年後、20年後の資産を考える視点が大切です。
金投資にかかる税金と手数料
金投資で利益が出たら、税金のことも考えておく必要があります。
1. 売却時の利益には税金がかかる
金を売って利益が出た場合、その利益には税金がかかります。これは法律で決まっていることです。
金地金や金貨を売却した場合、原則として「譲渡所得」として課税されます。給与所得など他の所得と合算して計算される総合課税の対象になるんです。
ただし、譲渡所得には年間50万円の特別控除があります。つまり、利益が50万円以下なら税金はかかりません。これは知っておくと役立つポイントです。
確定申告が必要になる場合もあるので、売却時には記録をしっかり残しておきましょう。
2. 譲渡所得と雑所得の違い
金投資の利益は、保有期間や取引形態によって課税方法が変わります。
金地金や金貨を売却した場合は譲渡所得です。保有期間が5年以内なら「短期譲渡所得」、5年を超えると「長期譲渡所得」になります。長期譲渡所得の場合、課税対象額が半分になるため、税負担が軽くなるんです。
一方、金投資口座や金貯蓄口座から得た利益は雑所得として扱われ、源泉分離課税になります。税率は一律20.315%(所得税15.315%、住民税5%)です。
どちらの課税方法になるかは、購入方法によって変わります。税金面も考慮して投資方法を選ぶのもひとつの戦略です。
3. 手数料や年会費も確認しておく
税金以外に、取引にかかるコストもチェックしておきましょう。手数料は利益に直結するため、意外と重要です。
純金積立の場合、積立金額によって手数料率が変わります。田中貴金属では月3,000円から29,000円だと2.8%、3万円から49,000円だと2.2%、5万円以上だと1.6%です。金額が大きいほど手数料率が下がる仕組みです。
証券会社の純金積立はもう少し安く、SBI証券なら2.16%程度です。年会費は多くの証券会社で無料になっています。
金ETFの場合は信託報酬が年0.4%前後かかります。また、売買時には証券会社の取引手数料がかかる場合もあります。これらのコストを計算に入れて、トータルでお得な方法を選びましょう。
よくある質問:金投資について
金投資を始める前によく聞かれる質問をまとめました。
1. いくらから始められるの?
金投資は思ったよりも少額から始められます。方法によって最低投資額が異なります。
純金積立なら月1,000円からスタートできます。これなら学生やアルバイトの方でも無理なく始められますよね。
金ETFも数千円から購入可能です。証券会社によっては100円から積立投資できるところもあります。
金地金は5グラムで約5万7,000円から買えます。金貨も種類によりますが、5万円から10万円程度が目安です。
つまり、予算に応じて自由に選べるということです。「お金持ちじゃないと金投資はできない」というイメージは間違いなんですね。
2. 金投資は危険じゃないの?
金投資にもリスクはありますが、正しく理解すれば決して危険ではありません。
価格変動リスクは確かに存在します。でも、価値がゼロになる可能性はほぼありません。この点は株式や仮想通貨とは大きく違います。
また、詐欺まがいの業者に引っかからないよう注意すれば、基本的には安全な投資です。信頼できる会社を選び、無理のない金額で投資することが重要です。
むしろ、分散投資の一環として金を組み入れることで、ポートフォリオ全体のリスクを減らせる効果もあります。適切に活用すれば、金投資は資産を守る有効な手段になるんです。
3. どのタイミングで買えばいいの?
これは多くの人が悩むポイントですね。正直なところ、完璧なタイミングを見極めるのは専門家でも難しいです。
だからこそ、純金積立のようにタイミングを分散させる方法がおすすめなんです。毎月一定額ずつ買っていけば、高値も安値も平均化されます。
もし一括で買いたい場合は、金価格が急騰しているときは避けた方が無難です。価格が落ち着いているタイミングを待つか、何回かに分けて買うといいでしょう。
長期投資を前提にするなら、多少のタイミングの違いは最終的にあまり影響しません。「今日が一番若い日」という気持ちで、思い切って始めてみるのもありです。
まとめ
金投資は古くから続く資産保全の方法ですが、現代ではさまざまな形で気軽に始められるようになりました。純金積立なら月1,000円から、金ETFなら数千円から投資できます。
価値がゼロにならない安心感や、インフレに強いという特性は、不確実な時代だからこそ魅力的に映ります。ただし、利息がつかないことや価格変動のリスクもしっかり理解しておく必要があります。
大切なのは、自分の投資目的やライフスタイルに合った方法を選ぶことです。実物を持ちたいのか、手軽さを優先するのか。少額から始めたいのか、ある程度まとまった金額で投資するのか。こうした点を考えながら、最適な方法を見つけてください。
金投資を通じて、長期的に安定した資産形成を目指していきましょう。まずは小さな一歩から始めてみませんか?

