「株式投資に興味はあるけれど、難しそう」と感じていませんか?
けれど実は、株主優待をきっかけに投資を始める人は意外と多いものです。買い物券や日用品など、生活に直結した特典がもらえるため、初心者でも楽しみながら資産形成ができます
ここでは、投資初心者や主婦にも人気の株主優待銘柄を、金額別・ジャンル別に紹介していきます
株主優待とは?投資初心者でももらえる仕組み
株主優待は、企業が株主に感謝の気持ちを込めて贈る特典のことです
上場企業の約4割が株主優待制度を設けているため、選択肢はかなり豊富です。自分の生活スタイルに合った優待を選べば、毎日の買い物や外食がもっとお得になるかもしれません
1. 株主優待がもらえる条件
株主優待をもらうには、まず証券会社で口座を開設して株式を購入する必要があります
多くの企業では、100株以上保有していることが条件です。株価が1,000円の銘柄であれば、10万円程度の投資でスタートできます
保有株数が多いほど、優待の内容も充実していくのが一般的です。ただし、初心者のうちは無理せず少額から始めるほうが安心でしょう
2. 権利確定日と権利付き最終日の違い
「権利確定日」とは、株主として認められる基準日のことです
この日に株主名簿に載っていれば、優待や配当金をもらう権利が確定します。多くの企業では3月末や9月末が権利確定日に設定されています
注意したいのは、権利確定日の2営業日前までに株を購入しておく必要があるという点です。この日を「権利付き最終日」と呼びます
3. 株主優待と配当金の関係
株主優待と配当金は、どちらも株主への還元策ですが内容は異なります
配当金は現金で受け取れる利益の分配で、優待は商品券や自社製品などの現物です。両方をもらえる銘柄を選べば、総合的な利回りがさらに高まります
たとえば配当利回り3%、優待利回り2%の銘柄なら、合計5%の還元が期待できるということです
初心者におすすめの株主優待銘柄:5万円以下で始められる
少額から投資できる銘柄は、初心者にとって心理的なハードルが低いものです
5万円以下で買える銘柄の中にも、魅力的な優待を用意している企業はたくさんあります。まずは身近に使える優待から選んでみるのがおすすめです
1. ストリーム:1万円台から買える人気銘柄
ストリームは、家電を扱う「ECカレント」などのECサイトを運営する企業です
100株で1,000円分の買い物割引券がもらえます。投資金額は約1万円程度と、ワンコインランチ数回分で始められる手軽さが魅力です
家電や日用品をネットで購入する機会が多い人には、実用性の高い優待といえるでしょう
2. NTT:dポイントがもらえる通信株
NTTは日本を代表する通信企業のひとつです
100株以上保有すると、保有期間に応じてdポイントが進呈されます。2年以上保有で1,500ポイント、5年以上で合計4,500ポイントが積み上がっていきます
投資金額は約1万5,000円程度で、配当利回りも3%台と高めです
3. ソフトバンク:PayPayで受け取れる優待
ソフトバンクは、100株を1年以上保有することで、PayPayマネーライト1,000円分がもらえる株主優待を実施しています
投資金額は5万円以下で、配当利回りは4%台と高水準です
普段からPayPayを使っている人にとっては、そのまま買い物に使える便利な優待です
4. 山喜:シャツの割引券がもらえる
山喜は、ワイシャツの製造・販売を手がける企業です
100株で1,000円分の買い物割引券がもらえます。年2回の権利確定があるため、年間2,000円分の優待が受け取れる計算です
オンラインショップでも利用できるため、店舗が近くにない人でも安心です
初心者におすすめの株主優待銘柄:10万円以下で充実の内容
10万円以下で買える銘柄には、生活に密着した優待が多く見られます
この価格帯になると、優待の内容もぐっと充実してきます。普段から利用している店舗やサービスがあれば、節約効果も実感しやすいでしょう
1. ヤマダホールディングス:家電量販店で使える優待券
ヤマダホールディングスは、家電量販店のヤマダ電機を展開する企業です
100株で年2回、500円券がもらえます。3月末に1枚、9月末に2枚の合計1,500円分です
家電の買い替えや日用品の購入時に使えるため、家計の節約につながります
2. 楽天グループ:楽天モバイルが1年間無料
楽天グループの株主優待は、楽天モバイルの月額料金が1年間無料になる特典です
100株以上保有している株主が対象で、30GBプランの通信費を大幅に節約できます
すでに楽天モバイルを使っている人でも、同じ電話番号のまま優待を適用できるのが便利です
3. 日産自動車:新車購入時の特典
日産自動車は、100株以上保有する株主に特典を用意しています
新車を購入する人を紹介すると5,000円分のギフトカードがもらえ、購入者にも5,000円分のカタログギフトが贈られます
株主本人が購入する場合でも、両方の特典を受けられる仕組みです
主婦に人気の株主優待銘柄:日用品や食品がもらえる
日常生活で使える優待は、主婦から特に支持されています
食品や日用品がもらえる銘柄は、家計の助けになるだけでなく、買い物の手間も省けます。スーパーやドラッグストアで使える優待は、利用頻度が高いため満足度も高いようです
1. イオン:オーナーズカードで3%キャッシュバック
イオンの株主優待は「オーナーズカード」として知られています
100株以上保有すると、半期100万円までの買い物金額に対して3%のキャッシュバックが受けられます
年2回の返金があるため、イオンで頻繁に買い物をする人ほどメリットが大きくなります
2. ツルハホールディングス:ドラッグストアで使える優待券
ツルハホールディングスは、ツルハドラッグなどを展開する企業です
500株以上で2,500円相当の株主ギフト券や、自社PB商品の詰め合わせなどから選べます
3年以上保有すると、さらに1,000円分が追加されるのもうれしいポイントです
3. ニトリホールディングス:家具や日用品の割引券
ニトリホールディングスは、500株以上保有する株主に10%割引の優待券を発行しています
1年以上保有すると10枚、2,500株以上なら15枚がもらえます
全国のニトリやデコホーム、島忠などで使えるため、家具や日用品の買い替え時に大きな節約効果があります
4. キユーピー:マヨネーズなど自社製品の詰め合わせ
キユーピーの株主優待は、自社グループ商品の詰め合わせです
100株を半年以上保有すると1,000円相当、3年以上で1,500円相当の製品が届きます
マヨネーズやドレッシングなど、食卓で使う調味料がもらえるのは実用的です
主婦に人気の株主優待銘柄:外食や買い物券
外食チェーンやアパレルの優待は、家族で楽しめるのが魅力です
休日のランチや子どもの服の買い物など、日常のちょっとした贅沢が株主優待でまかなえます。使い勝手の良さから、リピート保有する人も多いようです
1. しまむら:アパレル店で使えるお買い物券
しまむらは、100株で2,000円分の買い物券がもらえます
ファッションセンターしまむらやバースデイ、アベイルなどのグループ店舗で利用できます
子ども服や普段着を手頃な価格で買いたい主婦にとって、実用性の高い優待です
2. マツモトキヨシ:年間4,000円分の優待券
マツキヨココカラ&カンパニーは、100株で年2回、2,000円分のマツキヨココカラポイントが付与されます
年間では合計4,000円分の優待が受けられる計算です
ドラッグストアで日用品や化粧品を買う機会が多い人には、かなりお得な優待といえます
3. すかいらーくホールディングス:ファミレスで使える食事券
すかいらーくホールディングスは、ガストやバーミヤンなどを運営する企業です
100株以上で、グループ店舗で使える電子チケットが年2回もらえます
家族での外食や、ちょっとしたランチに使いやすい優待です
4. ライドオンエクスプレス:「銀のさら」の優待券
ライドオンエクスプレスホールディングスは、宅配寿司「銀のさら」などを展開しています
100株で2,500円分の優待券がもらえます
宅配が難しい地域では、お米2kgと引き換えることもできる配慮がうれしいです
株主優待銘柄の選び方:失敗しないための3つのポイント
株主優待を選ぶときは、いくつかのポイントを押さえておくと失敗が少なくなります
利回りの高さだけで選んでしまうと、実際には使いにくかったり、企業の業績が不安定だったりすることもあります。長く保有するためには、自分の生活スタイルと企業の安定性の両方を見ることが大切です
1. 自分の生活圏で使えるかどうか
どんなに魅力的な優待でも、使える場所が遠ければ意味がありません
近所にある店舗や、よく利用するサービスの優待を選ぶのが基本です
オンラインショップで使えるものや、全国チェーンの店舗優待なら、引っ越しても使い続けられます
2. 優待利回りと配当利回りの合計で判断する
優待の価値を数字で比較するには、優待利回りを計算してみましょう
優待利回りは「優待品の金額÷投資金額×100」で求められます
配当利回りと合わせて総合利回りを見ると、本当にお得な銘柄が見えてきます
3. 企業の業績と将来性を確認する
株主優待は企業にとってコストがかかるものです
業績が悪化すれば、優待の廃止や改悪のリスクが高まります
長期的に安定した利益を出している企業や、成長が期待できる分野の企業を選ぶほうが安心です
株主優待をもらう前に知っておきたい注意点
株主優待にはいくつかの注意点があります
優待がもらえるタイミングや有効期限、株価変動のリスクなど、事前に知っておくべきことは意外と多いものです。これらを理解しておけば、より計画的に株主優待を楽しめます
1. 優待が届くまでには3〜4カ月かかる
権利確定日に株主として認められても、優待品はすぐには届きません
多くの企業では、権利確定日から3〜4カ月後に発送されます
たとえば3月末が権利確定日なら、実際に優待が手元に届くのは6月下旬から7月ごろです
2. 有効期限を確認しておく
株主優待券には有効期限が設定されていることがほとんどです
期限切れになると使えなくなってしまうため、届いたらすぐに有効期限をチェックしましょう
計画的に使うことで、優待の価値を最大限に活かせます
3. 株価の値下がりリスクがある
株主優待はお得ですが、株式投資である以上、株価の変動リスクは避けられません
優待で数千円得をしても、株価が大きく下がれば損失が出る可能性があります
長期保有を前提に、余裕資金で投資することが大切です
4. 優待が廃止される可能性もある
近年、株主平等の観点から優待を廃止する企業も増えています
業績悪化や経営方針の変更で、突然廃止されることもあります
優待だけを目的にせず、配当や企業の成長性も含めて総合的に判断するほうが安全です
長期保有でさらにお得になる株主優待
保有期間が長いほど優待内容がグレードアップする銘柄もあります
長期保有優遇制度を設けている企業は、株主との関係を大切にしている証ともいえます。じっくり応援したい企業を見つけたら、長く保有することで特典も増えていくでしょう
1. 保有期間に応じて優待内容がアップする銘柄
長期保有優遇を実施している企業は少なくありません
保有期間1年以上、3年以上など、段階的に優待が充実していく仕組みです
株を持ち続けるモチベーションにもなります
2. ヤマダホールディングスの長期保有特典
ヤマダホールディングスは、以前は長期保有で追加の優待券がもらえる制度がありました
現在は制度が変更されていますが、保有株数に応じた優待は継続されています
今後も優待制度の変更には注意が必要です
3. イオンの3年以上保有でギフトカード追加
イオンでは、3年以上継続保有すると追加のギフトカードがもらえます
オーナーズカードによるキャッシュバックに加えて、長期保有の特典も受けられるため、イオンでよく買い物をする人にとっては二重にお得です
継続することで、優待の価値がさらに高まります
まとめ
株主優待は、投資初心者や主婦でも気軽に始められる資産形成の方法です
身近に使える優待を選べば、毎日の生活がちょっとだけ豊かになるかもしれません。ただし、優待だけに目を向けるのではなく、企業の業績や株価の変動リスクもしっかり確認することが大切です
少額から始められる銘柄も多いので、まずは興味のある企業を調べてみませんか。株主優待を楽しみながら、長期的な資産形成を目指していきましょう

