「クレジットカードとデビットカード、どっちを使えばいいのかわからない」
そんなふうに感じている人は多いのではないでしょうか。
実はこの2つのカードには、支払いのタイミングや審査の有無など、いくつも大きな違いがあります。クレジットカードは後払いで便利ですが、使いすぎが心配という声もよく聞きますよね。
一方でデビットカードは即時払いなので、口座残高の範囲内でしか使えないという安心感があります。
ここでは、クレジットカードとデビットカードの違いをわかりやすく比較しながら、それぞれに向いている使い方や上手な使い分けのコツを紹介していきます。
クレジットカードとデビットカードの基本的な違いとは?
クレジットカードとデビットカードは見た目こそ似ていますが、中身はまったく別物です。
お金の支払われるタイミングや発行するときの審査の有無など、知っておきたい基本的な違いがいくつかあります。まずはこの2つのカードの根本的な仕組みから見ていきましょう。
1. 支払いのタイミングが大きく異なる
クレジットカードとデビットカードの最も大きな違いは、いつお金が支払われるかという点です。
クレジットカードは「後払い」の仕組みになっています。お店で買い物をした時点ではお金は引き落とされず、カード会社が決めた支払日に銀行口座から一括で引き落とされます。たとえば1月に使った分が2月の引き落とし日にまとめて請求される形ですね。
一方でデビットカードは「即時払い」です。お店でカードを使った瞬間に、紐づけている銀行口座から利用額がすぐに引き落とされます。
この違いはとても重要で、家計管理のしやすさや使いすぎのリスクに直結してきます。後払いのクレジットカードだと、つい気が大きくなって使いすぎてしまうかもしれません。
逆に即時払いのデビットカードなら、口座にある分しか使えないので、自然とブレーキがかかるという安心感があります。どちらが自分の性格に合っているか考えてみるといいでしょう。
2. お金が引き落とされる仕組みの違い
引き落としの仕組みも、この2つのカードでは大きく異なります。
クレジットカードは、カード会社が利用者の代わりに支払いを立て替える形です。つまり一時的にカード会社からお金を借りている状態になります。そして決められた日にまとめて銀行口座から引き落とされるという流れですね。
デビットカードは銀行口座と直接つながっています。カードを使うとすぐに自分の口座から代金が差し引かれる仕組みです。
この違いがあるからこそ、デビットカードは口座残高以上の買い物ができません。口座に1万円しかなければ、1万円までしか使えないということです。
クレジットカードの場合は、カード会社が設定した利用限度額の範囲内であれば、口座残高に関係なく買い物ができます。
手元にお金がない月でも欲しいものが買えるのは便利ですが、後で支払いに困るリスクもあるので注意が必要です。
3. カード発行時の審査の有無
カードを作るときの審査についても、大きな違いがあります。
クレジットカードを作る際には、必ず審査があります。カード会社は申込者の収入や職業、過去のクレジット利用履歴などをチェックして、「この人にお金を貸しても大丈夫か」を判断します。
そのため、収入が不安定だったり過去に支払いの遅延があったりすると、審査に通らない可能性があります。
一方でデビットカードは、基本的に審査がありません。
これは後払いではなく、自分の口座にあるお金を使う仕組みだからです。カード会社がお金を立て替えるわけではないので、返済能力を審査する必要がないんですね。
銀行口座さえ持っていれば、ほとんどの人が作れるというのがデビットカードの特徴です。学生や主婦の方でも気軽に申し込めるのは大きなメリットといえるでしょう。
デビットカードの特徴とメリット
デビットカードには、使いすぎを防げるという安心感があります。
口座残高の範囲内でしか使えない仕組みや、高校生から作れる手軽さなど、デビットカードならではの魅力がたくさんあります。ここからは、デビットカードの具体的なメリットを見ていきましょう。
1. 口座残高の範囲内で使えるから安心
デビットカードの最大のメリットは、口座にある分しか使えないという点です。
カードを使った瞬間に口座から引き落とされるので、残高以上の買い物は物理的にできません。これは使いすぎが心配な人にとって、とても心強い仕組みではないでしょうか。
クレジットカードのように「今月いくら使ったかな」と不安になることもありません。口座の残高を見れば、今どれくらい使えるのかがすぐにわかります。
給料日前で手持ちが少ない時期でも、口座にある分だけ使えばいいので計画的に管理しやすいです。
また、口座残高を超える買い物ができないということは、借金をするリスクがゼロということでもあります。
クレジットカードだと、つい調子に乗って使いすぎて支払いができなくなる…なんて心配もありますが、デビットカードならそういった事態を避けられます。お金の管理に自信がない人や、初めてカードを持つ人には特におすすめです。
2. 高校生でも作れる年齢制限のゆるさ
デビットカードは、15歳や16歳から作れるものが多いです。
クレジットカードが原則18歳以上(高校生は不可)なのに対して、デビットカードは中学卒業後から持てるというのは大きな違いですね。
高校生のうちからキャッシュレス決済に慣れておくのは、これからの時代にとても役立つと思います。修学旅行や部活の遠征など、現金を持ち歩くのが心配な場面でも安心です。
審査もほとんどないので、親の同意さえあれば気軽に作れます。
アルバイトをしていない学生でも申し込めるというのは、かなり嬉しいポイントではないでしょうか。お小遣いを口座に入れておいて、デビットカードで管理する習慣をつけておけば、将来のお金の使い方にも良い影響があるかもしれません。
ただし、未成年の場合は1日の利用限度額が低めに設定されていることが多いです。それでも日常的な買い物には十分ですし、使いすぎ防止にもなるので、むしろ安心といえるでしょう。
3. 家計管理がしやすい即時反映
デビットカードは使った瞬間に口座から引き落とされるので、家計簿をつけやすいです。
クレジットカードだと「いつ何に使ったか」と「実際にお金が出ていくタイミング」にズレがあるので、家計管理が複雑になりがちです。今月の支出を把握しようとしても、前月分の請求も混ざっていて、ちょっとわかりにくいんですよね。
デビットカードならそういった煩わしさがありません。カードを使ったらすぐに口座残高に反映されるので、リアルタイムで支出を確認できます。
多くの銀行アプリでは、デビットカードの利用履歴がすぐに見られるようになっています。どこで何を買ったかが一目瞭然なので、家計簿アプリと連携させれば自動的に記録されて便利です。
また、給料日に口座に入れた金額から、月末にどれくらい残っているかを見れば、今月の収支がすぐにわかります。現金払いだと「いつの間にかお金が減っている」という感覚になりがちですが、デビットカードなら全部記録に残るので安心です。
4. 使いすぎる心配が少ない
デビットカードは口座残高という物理的な上限があるので、使いすぎを防げます。
クレジットカードのように「来月払えばいいや」という気持ちになりにくいのも、デビットカードの良いところです。買い物をするたびに口座からお金が減っていくのを実感できるので、自然と無駄遣いが減るかもしれません。
特に衝動買いをしやすい人や、つい気が大きくなってしまう人には、デビットカードの方が向いているでしょう。
また、多くのデビットカードでは1日の利用限度額を自分で設定できます。
たとえば「1日1万円まで」と決めておけば、それ以上は使えないので安心です。万が一カードを紛失したり不正利用されたりしても、被害を最小限に抑えられます。
給料日前で残高が少ない時期には、自然と節約モードになるという効果もあります。クレジットカードのように「限度額まではまだ余裕がある」という感覚がないので、本当に必要なものだけを買う習慣が身につくかもしれませんね。
クレジットカードの特徴とメリット
クレジットカードには、後払いならではの便利さがあります。
手元にお金がなくても買い物ができたり、ポイント還元率が高かったり、様々な付帯サービスが受けられたりと、デビットカードにはない魅力がたくさんあります。ここからは、クレジットカードならではのメリットを詳しく見ていきましょう。
1. 手元にお金がなくても支払いができる
クレジットカード最大の魅力は、今すぐお金がなくても買い物ができることです。
給料日前で口座残高が少ない時期でも、欲しいものを我慢する必要がありません。急な出費があったときにも、クレジットカードがあれば対応できます。
たとえば、家電が突然壊れてしまったときや、冠婚葬祭で急にお金が必要になったときなど、手持ちが少ない状況でも慌てずに済みます。
また、利用限度額の範囲内であれば、口座残高を気にせず使えるのも便利です。
デビットカードだと口座にお金を入れておく必要がありますが、クレジットカードならその心配がありません。限度額が50万円あれば、口座が空っぽでも50万円分の買い物ができるということです。
ただし、これは「借金をしている」ということでもあります。後で必ず支払日がやってくるので、計画的に使わないと支払いに困ることになるかもしれません。便利さの裏には責任も伴うということは、しっかり意識しておきたいですね。
2. ポイント還元率が高くてお得
クレジットカードは、デビットカードと比べてポイント還元率が高い傾向があります。
一般的なクレジットカードでも0.5%〜1.0%程度の還元率があり、高還元カードなら1.5%以上のものもあります。対してデビットカードは0.2%〜1.0%程度が多く、平均するとクレジットカードの方がお得なケースが多いです。
たとえば月に10万円使った場合、還元率1.0%のクレジットカードなら1,000円分のポイントが貯まります。1年で12,000円、10年で12万円にもなるので、馬鹿にできない金額ですよね。
さらに、特定のお店で使うとポイントが2倍、3倍になるクレジットカードも多いです。
コンビニやスーパーでの買い物、ガソリンスタンドでの給油など、よく使うお店に合わせてカードを選べば、かなり効率的にポイントを貯められます。
貯まったポイントは、買い物に使ったり商品と交換したり、マイルに移行したりできます。
使い方次第では、年会費を払ってもお釣りがくるくらいお得になることもあるでしょう。普段の支払いを現金からクレジットカードに変えるだけで、自動的にポイントが貯まっていくのは嬉しいメリットです。
3. 分割払いやリボ払いが選べる
クレジットカードは、支払い方法を自由に選べるのが大きな特徴です。
一括払いはもちろん、分割払いやリボ払いなど、自分の都合に合わせて支払い方法を変えられます。高額な買い物をするときには、この柔軟性がとても助かります。
たとえば10万円の家電を買うとき、一括で払うのは厳しいけれど、月々5,000円ずつなら無理なく払えるという場合もありますよね。分割払いを選べば、欲しいものを我慢せずに手に入れられます。
ボーナス払いを選べるカードもあります。
夏や冬のボーナスが出るタイミングに合わせて支払いを先延ばしにできるので、大きな買い物をするときには便利です。
ただし、分割払いやリボ払いには手数料がかかることが多いので注意が必要です。特にリボ払いは手数料が高めに設定されているので、安易に使うと支払総額が膨らんでしまいます。支払い方法を選ぶときには、手数料も含めて計算しておくことをおすすめします。
4. 海外旅行保険などの付帯サービスが充実
クレジットカードには、様々な付帯サービスがついていることが多いです。
特に年会費がかかるカードになると、海外旅行保険やショッピング保険、空港ラウンジの利用など、かなり充実したサービスが受けられます。
海外旅行保険は、旅行中のケガや病気、持ち物の盗難などをカバーしてくれます。
わざわざ別で保険に入る必要がないので、旅行の度に保険料を節約できます。カードによっては家族も補償対象になるものもあるので、家族旅行が多い人には特にお得です。
ショッピング保険は、カードで買った商品が壊れたり盗まれたりしたときに補償してくれるサービスです。
高額な買い物をするときには安心ですね。デビットカードにもショッピング保険がついているものはありますが、補償額や適用範囲はクレジットカードの方が充実している傾向があります。
他にも、レストランの予約代行サービスや、ホテルの優待割引など、カードによって様々な特典があります。年会費がかかるカードでも、こういったサービスをフル活用すれば元が取れることも多いので、自分のライフスタイルに合ったカードを選ぶといいでしょう。
デビットカードのデメリット
デビットカードは使いやすい反面、いくつかの制約もあります。
分割払いができなかったり、ポイント還元率がやや低かったりと、クレジットカードと比べると不便に感じる部分もあるかもしれません。ここでは、デビットカードのデメリットについて正直に見ていきましょう。
1. 分割払いができない
デビットカードは、基本的に一括払いのみです。
口座から即時引き落としという仕組み上、分割払いやボーナス払いには対応していません。これは高額な買い物をするときには、かなり不便に感じるかもしれませんね。
たとえば20万円の家電を買いたいとき、口座に20万円以上入っていなければデビットカードでは購入できません。クレジットカードなら分割払いで月々1万円ずつ支払うこともできますが、デビットカードにはそういった選択肢がないのです。
高額な商品を購入する予定がある場合は、事前に口座にお金を用意しておく必要があります。
給料をコツコツ貯めるか、ボーナスが入ってから買うか、計画的に準備しなければなりません。
ただ、これは見方を変えれば「身の丈に合った買い物しかできない」という良い制約ともいえます。無理な買い物をして後で支払いに苦しむリスクがないのは、デビットカードの安心感でもあるでしょう。分割払いができないからこそ、本当に必要なものかをじっくり考えるきっかけになるかもしれません。
2. ポイント還元率がやや低め
デビットカードは、クレジットカードと比べるとポイント還元率が低い傾向にあります。
一般的なデビットカードの還元率は0.2%〜0.5%程度で、高還元のものでも1.0%〜1.2%くらいです。
対してクレジットカードは1.0%以上のものが多く、中には1.5%や2.0%の高還元カードもあります。
たとえば月に10万円使った場合、還元率0.5%のデビットカードなら500円分、還元率1.0%のクレジットカードなら1,000円分のポイントが貯まります。年間で考えると6,000円と12,000円の差になるので、結構大きいですよね。
また、デビットカードの中にはポイント還元がまったくないものもあります。
キャッシュバック型のデビットカードもありますが、還元率はやはり低めです。ポイントを貯めてお得に買い物をしたいという人には、少し物足りなく感じるかもしれません。
ただし、デビットカードの中にも還元率1.0%以上のものはあります。
楽天銀行デビットカードやV NEOBANKデビットなど、高還元率のデビットカードを選べば、クレジットカードに負けないくらいお得に使えます。カードを選ぶときには、還元率をしっかり比較することをおすすめします。
3. 使えないお店やサービスがある
デビットカードは、一部のお店やサービスで使えないことがあります。
特に月額料金が発生するサブスクリプションサービスや、ガソリンスタンド、高速道路のETCカードなどでは、デビットカードが使えないケースが多いです。
月額制のサービスが使えない理由は、引き落とし時に口座残高が不足している可能性があるからです。
クレジットカードなら後払いなので問題ありませんが、デビットカードは即時引き落としなので、残高不足で決済が失敗するリスクがあります。そのため、サービス側が受け付けていないことが多いんですね。
ガソリンスタンドで使えない理由も似ています。給油前に正確な金額がわからないので、デビットカードの即時決済システムと相性が悪いのです。
一部のガソリンスタンドでは使えることもありますが、すべてのスタンドで使えるわけではありません。
また、ETCカードはそもそもデビットカードでは発行できません。
高速道路を頻繁に利用する人は、クレジットカードを1枚持っておく必要があるでしょう。このように、デビットカードだけでは対応できない場面もあるので、クレジットカードと併用するのが賢い使い方かもしれませんね。
4. キャッシング機能が付いていない
デビットカードには、キャッシング機能がありません。
クレジットカードなら、ATMで現金を借りることができますが、デビットカードにはそういった機能がないのです。急にまとまった現金が必要になったときには、少し不便かもしれません。
もちろん、口座にお金が入っていればATMで引き出すことはできます。でも、口座残高以上のお金を引き出すことはできないので、緊急時の備えとしては弱いといえるでしょう。
ただし、これは借金をしないという意味では安心材料でもあります。
キャッシングは便利ですが、利息が高いので安易に使うとどんどん借金が膨らんでしまいます。キャッシング機能がないからこそ、無計画な借金を防げるというメリットもあるのです。
どうしてもキャッシング機能が必要な場合は、クレジットカードを別に持っておくといいでしょう。普段の買い物はデビットカードで管理して、緊急時のみクレジットカードを使うという使い分けをすれば、計画的にお金を管理できます。
クレジットカードのデメリット
クレジットカードは便利な反面、リスクも伴います。
使いすぎてしまったり、支払い管理が複雑になったりと、後払いならではの落とし穴もあります。ここでは、クレジットカードを使うときに注意したいデメリットを見ていきましょう。
1. 使いすぎてしまうリスクがある
クレジットカード最大のデメリットは、使いすぎてしまいやすいことです。
後払いなので、お金を使っている実感が薄くなりがちです。現金やデビットカードなら、財布の中身や口座残高が減っていくのを実感できますが、クレジットカードは支払日まで痛みを感じません。
「来月払えばいいや」という気持ちで買い物をしていると、気づいたときには請求額が膨大になっていることもあります。
特に複数のクレジットカードを持っていると、今月いくら使ったのかを把握しにくくなります。
利用明細をこまめにチェックする習慣がないと、支払日に請求額を見てびっくりするかもしれません。毎月の収入以上に使ってしまって、支払いができなくなるという事態も起こりえます。
使いすぎを防ぐには、利用限度額を低めに設定しておくのも一つの方法です。
また、カード会社のアプリで利用状況をリアルタイムでチェックできるようにしておくと安心です。クレジットカードは便利ですが、自制心がないと危険なツールになってしまうことを忘れないでおきましょう。
2. 支払い管理が複雑になりやすい
クレジットカードは、支払い管理がややこしくなる傾向があります。
使った日と支払日にズレがあるので、今月の支出を正確に把握するのが難しいのです。たとえば1月に使った分が2月の支払日に請求されるので、家計簿をつけるときに混乱することもあります。
複数のクレジットカードを持っていると、さらに管理が大変です。カードごとに支払日が違うので、「どのカードでいくら使ったか」「次の支払日はいつか」を常に把握しておく必要があります。
分割払いやリボ払いを利用すると、もっと複雑になります。
今月の請求額の中に、先月の一括払い分と、3ヶ月前から分割で払っている商品の残りと、リボ払いの残高が全部混ざっているという状態になるからです。何にいくら払っているのかがわからなくなってしまうかもしれません。
家計管理アプリを使って自動的に記録させるのも良い方法ですが、それでもデビットカードのシンプルさには敵いません。支払い管理が苦手な人には、クレジットカードはあまり向いていないかもしれませんね。
3. 審査に通らないと作れない
クレジットカードを作るには、必ず審査を通過しなければなりません。
収入が少なかったり不安定だったりすると、審査に落ちてしまうこともあります。過去にクレジットカードの支払いを延滞したことがあると、その情報が信用情報機関に記録されていて、審査に悪影響を与える可能性もあります。
学生や主婦、フリーランスの方など、安定した収入がない人は審査に通りにくい傾向があります。アルバイトやパートで収入があっても、金額が少ないと審査に落ちることもあるでしょう。
また、審査には数日から数週間かかることが多いです。
今すぐカードが欲しいと思っても、審査結果が出るまで待たなければなりません。審査に落ちてしまったら、また別のカードに申し込んで審査を待つという手間もかかります。
その点、デビットカードは審査がほとんどないので、誰でも気軽に作れます。
クレジットカードの審査に通らなかった人でも、デビットカードなら問題なく発行してもらえるはずです。審査のハードルが高いというのは、クレジットカードの大きなデメリットといえるでしょう。
4. リボ払いの手数料に注意が必要
クレジットカードのリボ払いは、便利そうに見えて実は注意が必要です。
毎月の支払額を一定にできるので家計管理がしやすいように思えますが、手数料が非常に高いという落とし穴があります。リボ払いの手数料は年率15%前後が一般的で、かなりの負担になります。
たとえば10万円の買い物をリボ払いで月々5,000円ずつ返済する場合、完済までに2年近くかかり、手数料だけで1万5千円以上かかることもあります。つまり、実質11万5千円以上払うことになるわけです。
さらに怖いのは、リボ払いを続けていると元金がなかなか減らないことです。毎月5,000円払っているつもりでも、そのうち手数料が1,000円以上占めていたら、実際に元金が減るのは4,000円以下ということになります。
知らないうちにリボ払いになっていることもあるので注意が必要です。
カードによっては、デフォルトでリボ払いが設定されていたり、「リボ払いに変更しませんか」というメールが来たりします。安易にリボ払いを選ぶと、後で後悔することになるかもしれません。基本的には一括払いを選ぶようにして、どうしても必要なときだけ分割払いを使うのが賢い使い方でしょう。
支払い方法の違いを比較
支払い方法の違いは、クレジットカードとデビットカードを使い分けるうえで重要なポイントです。
高額な買い物をするときや、急な出費があったときに、どちらのカードが便利なのかを理解しておくといいでしょう。ここでは、支払い方法の違いを具体的に比較していきます。
1. 一括払いしかできないデビットカード
デビットカードは、購入と同時に口座から全額が引き落とされます。
分割払いやボーナス払いという選択肢はなく、常に一括払いのみです。これはシンプルでわかりやすい反面、高額な買い物をするときには不便に感じることもあります。
たとえば15万円のパソコンを買いたい場合、口座に15万円以上入っていなければデビットカードでは購入できません。給料をコツコツ貯めて、お金が貯まってから買うという計画性が必要です。
ただし、一括払いしかできないからこそ、無理な買い物を避けられるという良さもあります。
「今すぐ欲しいけど、お金がないから我慢しよう」という判断ができるのは、むしろ健全な金銭感覚といえるでしょう。デビットカードを使っていると、自然と「本当に必要なものだけを買う」という習慣が身につくかもしれません。
また、一括払いなので手数料がかからないのも大きなメリットです。分割払いやリボ払いのような余計なコストが発生しないので、支払総額が膨らむ心配がありません。シンプルでわかりやすいというのは、デビットカードの魅力の一つですね。
2. 支払い回数を選べるクレジットカード
クレジットカードは、支払い方法を自由に選べるのが大きな特徴です。
一括払いはもちろん、2回払い、3回払い、6回払い、12回払いなど、様々な分割回数から選べます。ボーナス一括払いやボーナス2回払いに対応しているカードもあります。
高額な商品を購入するときには、この柔軟性が非常に助かります。20万円の冷蔵庫を買うとき、一括で払うのは厳しいけれど、月々1万円ずつの分割払いなら無理なく払えるという場合もありますよね。
ただし、分割払いには手数料がかかることが多いので注意が必要です。2回払いまでは手数料無料というカードが多いですが、3回払い以上になると手数料が発生します。分割回数が多くなるほど手数料も高くなるので、できるだけ短い期間で完済する方がお得です。
リボ払いは毎月の支払額を一定にできるので便利そうに見えますが、前述の通り手数料が非常に高いのでおすすめできません。
どうしても分割で払いたい場合は、回数指定の分割払いを選ぶ方が賢明でしょう。支払い方法を選べるのはクレジットカードの大きなメリットですが、使い方を間違えると負担が増えることも忘れないでおきたいですね。
3. 高額な買い物をするときの注意点
高額な買い物をするときには、それぞれのカードの特性を理解しておくことが大切です。
デビットカードで高額商品を買う場合は、事前に口座にお金を用意しておく必要があります。給料日直後やボーナスが入った後など、口座残高に余裕があるタイミングを狙うといいでしょう。
クレジットカードで高額商品を買う場合は、利用限度額に注意が必要です。限度額が30万円のカードで50万円の商品は買えません。また、今月すでに10万円使っている場合、限度額30万円のカードでは残り20万円までしか使えないという点も覚えておきましょう。
分割払いを選ぶ場合は、毎月いくらずつ支払うことになるのか、手数料を含めた総額はいくらになるのかをしっかり計算してから決めることをおすすめします。
無理のない返済計画を立てないと、後で支払いに苦しむことになってしまいます。
また、高額商品を購入する際は、クレジットカードの付帯保険を活用するのも賢い方法です。ショッピング保険がついているカードなら、購入した商品が壊れたり盗まれたりしても補償してもらえます。
デビットカードにも保険がついているものはありますが、補償内容はクレジットカードの方が充実していることが多いです。高額な買い物をするときは、こういった付帯サービスも考慮に入れて、どちらのカードを使うか判断するといいでしょう。
審査や年齢制限の違い
カードを作るときの審査や年齢制限は、クレジットカードとデビットカードで大きく異なります。
特に学生や主婦、フリーランスの方など、安定した収入がない人にとっては重要なポイントです。ここでは、審査や年齢制限の違いについて詳しく見ていきましょう。
1. デビットカードは審査がほとんどない
デビットカードの最大の魅力の一つは、審査がほとんどないことです。
銀行口座さえ持っていれば、基本的に誰でも発行してもらえます。収入の有無や雇用形態を問われることもほとんどありません。
審査がない理由は、デビットカードが自分の口座にあるお金を使う仕組みだからです。
カード会社がお金を立て替えるわけではないので、返済能力をチェックする必要がないんですね。口座残高以上の買い物はできないので、カード会社にとってもリスクがありません。
そのため、クレジットカードの審査に落ちてしまった人でも、デビットカードなら問題なく作れます。
過去に支払いの遅延があったり、収入が不安定だったりしても、デビットカードの発行には影響しません。これは本当に大きなメリットといえるでしょう。
ただし、まったく審査がないわけではありません。銀行口座を開設する際には本人確認が必要ですし、反社会的勢力との関係がないかといった基本的なチェックはあります。でも、クレジットカードのような厳しい与信審査はないので、ほとんどの人が問題なく作れるはずです。
2. クレジットカードには与信審査がある
クレジットカードを作るには、必ず与信審査を通過しなければなりません。
カード会社は、申込者の年収や職業、勤続年数、他社からの借入状況などを細かくチェックします。過去のクレジット利用履歴も確認されるので、支払いの遅延があった場合は審査に悪影響を与えます。
審査基準はカード会社によって異なりますが、一般的には安定した収入があることが重視されます。正社員の方が審査に通りやすく、アルバイトやパート、フリーランスの方は審査のハードルが高くなる傾向があります。
また、他社からの借入が多い場合も審査に通りにくいです。すでに複数のクレジットカードを持っていたり、カードローンを利用していたりすると、「この人にこれ以上お金を貸して大丈夫か」とカード会社に判断される可能性があります。
審査には数日から数週間かかることもあり、即日発行できるカードは限られています。
急いでカードが欲しいときには、審査を待つ時間がもどかしく感じるかもしれません。審査に落ちてしまったら、また別のカードに申し込む必要があるので、時間と手間がかかります。
3. 学生や主婦でも作りやすいのはどっち?
学生や主婦の方がカードを作るなら、断然デビットカードの方が作りやすいです。
デビットカードは審査がほとんどないので、収入がなくても問題なく発行してもらえます。高校生でも作れるデビットカードが多いので、アルバイトをしていない学生でも安心です。
クレジットカードの場合、18歳以上であれば学生でも申し込めますが、審査はあります。
ただし、学生向けクレジットカードというのも存在していて、これは比較的審査が緩めに設定されています。親の同意が必要なことが多いですが、学生でも作れるチャンスはあります。
主婦の方の場合、専業主婦で本人に収入がないと、クレジットカードの審査に通りにくいことがあります。配偶者の収入を申告することで審査してもらえるカードもありますが、本人名義の収入がある方が審査には有利です。
その点、デビットカードなら本人の収入がなくても問題ありません。
銀行口座にお金が入ってさえいれば使えるので、専業主婦の方でも気軽に作れます。家計管理のためにキャッシュレス決済を始めたいという主婦の方には、デビットカードがおすすめです。
学生や主婦だからといって、クレジットカードが絶対に作れないわけではありません。でも、審査のハードルを考えると、まずはデビットカードから始めて、キャッシュレス決済に慣れてからクレジットカードに挑戦するというのも良い方法だと思います。
ポイント還元率やお得さを比較
お得にカードを使うなら、ポイント還元率は見逃せないポイントです。
同じ金額を使っても、カードによって貯まるポイントが全然違うので、しっかり比較しておきたいですね。ここでは、クレジットカードとデビットカードのポイント還元率やお得さについて見ていきましょう。
1. クレジットカードの方が還元率は高め
一般的に、クレジットカードの方がデビットカードよりもポイント還元率が高い傾向があります。
標準的なクレジットカードで0.5%〜1.0%、高還元カードなら1.5%以上のものもあります。対してデビットカードは0.2%〜0.5%が多く、高くても1.0%〜1.2%程度です。
たとえば年間100万円使った場合、還元率1.0%のクレジットカードなら1万円分のポイントが貯まります。還元率0.5%のデビットカードだと5,000円分なので、年間で5,000円の差がつくことになります。10年続ければ5万円の差ですから、結構大きいですよね。
さらに、クレジットカードには特定のお店で還元率がアップする特典がついていることも多いです。
コンビニで2倍、スーパーで3倍、ネットショッピングで5倍など、使い方次第でかなりお得になります。よく使うお店に合わせてカードを選べば、効率的にポイントを貯められるでしょう。
ただし、デビットカードの中にも高還元率のものはあります。
楽天銀行デビットカードは1.0%還元、V NEOBANKデビットは最大1.5%還元など、クレジットカードに負けないくらいお得なデビットカードも存在します。デビットカードを選ぶなら、還元率の高いものを選ぶことをおすすめします。
2. デビットカードはキャッシュバック型が多い
デビットカードは、ポイント還元ではなくキャッシュバック型が多いのが特徴です。
使った金額の一部が、直接口座に振り込まれる仕組みです。ポイントの有効期限を気にする必要がないので、気楽に使えるというメリットがあります。
ポイント型のクレジットカードだと、「せっかく貯めたポイントを使い忘れて失効してしまった」なんてことも起こりがちです。有効期限が1年や2年と決まっているので、こまめにチェックしておかないともったいないことになります。
キャッシュバック型なら、そういった心配がありません。
自動的に口座に戻ってくるので、特に何もしなくても恩恵を受けられます。ポイント交換の手続きも不要なので、手間がかからないのも嬉しいですね。
ただし、キャッシュバックの還元率はやや低めに設定されていることが多いです。0.2%〜0.5%程度のものが多く、高くても1.0%程度です。
ポイント型のクレジットカードと比べると、還元率の面では見劣りするかもしれません。
還元率を重視するならクレジットカード、手間をかけずにお得に使いたいならキャッシュバック型のデビットカードという選び方もありでしょう。自分の性格やライフスタイルに合わせて選ぶことが大切です。
3. 年会費の違いも確認しておきたい
ポイント還元率だけでなく、年会費も含めて総合的に判断することが大切です。
デビットカードは年会費無料のものが多いですが、クレジットカードは年会費がかかるものも少なくありません。高還元率のカードほど、年会費が高く設定されている傾向があります。
たとえば、年会費1万円で還元率1.5%のクレジットカードと、年会費無料で還元率0.5%のデビットカードを比較してみましょう。年間100万円使った場合、クレジットカードなら1万5千円分のポイントが貯まりますが、年会費を引くと実質5,000円のプラスです。デビットカードなら5,000円分のキャッシュバックで年会費はゼロなので、実質的には同じくらいということになります。
年会費がかかるクレジットカードでも、使用額が多ければ年会費の元が取れることもあります。月に10万円以上使う人なら、年会費を払っても高還元カードの方がお得になるでしょう。
逆に、あまりカードを使わない人は、年会費無料のデビットカードの方が結果的にお得かもしれません。自分の月間利用額を考えて、どちらが本当にお得なのかを計算してみることをおすすめします。
また、クレジットカードの年会費には、付帯サービスの価値も含まれています。海外旅行保険や空港ラウンジの利用など、年会費を払うだけの価値があるサービスがついていれば、トータルで見ればお得といえるでしょう。
シーン別の使い分け方法
クレジットカードとデビットカードは、それぞれ得意な場面があります。
日常の買い物から高額な商品の購入、海外旅行まで、シーンに応じて使い分けることで、両方のメリットを最大限に活かせます。ここでは、具体的な使い分けのコツを紹介していきます。
1. 日常の少額決済はデビットカードで
コンビニやスーパーでの日常的な買い物には、デビットカードが向いています。
即時引き落としなので、使った金額がすぐに口座に反映されて家計管理がしやすいです。数百円から数千円の少額決済なら、わざわざクレジットカードを使う必要もないでしょう。
デビットカードなら使いすぎる心配もありません。
口座残高という物理的な上限があるので、つい買いすぎてしまうということがないのです。特に食費や日用品など、毎日のように発生する出費をデビットカードで管理すれば、無駄遣いを減らせるかもしれません。
カフェでのコーヒー代や、ランチ代など、ちょっとした買い物にもデビットカードは便利です。現金を持ち歩く必要がないので、財布も軽くなります。タッチ決済に対応しているデビットカードなら、レジでかざすだけで支払いが完了するので、スピーディーで快適です。
ただし、デビットカードが使えないお店もあるので、念のため少額の現金は持っておくといいでしょう。個人経営の小さなお店などでは、まだ現金しか受け付けていない場合もあります。基本はデビットカード、現金が必要なときだけお財布から出すという使い方がスマートですね。
2. 高額な買い物や海外旅行はクレジットカードで
家電や家具など、高額な買い物をするときにはクレジットカードが便利です。
分割払いができるので、手元にまとまったお金がなくても購入できます。また、ショッピング保険がついているクレジットカードなら、購入した商品が壊れたり盗まれたりしても補償してもらえるので安心です。
海外旅行でもクレジットカードが活躍します。海外旅行保険が自動付帯されているカードなら、わざわざ別で保険に入る必要がありません。
空港ラウンジが無料で使えるカードもあるので、旅行をより快適に楽しめます。
ホテルやレンタカーを利用する際にも、クレジットカードが必要になることが多いです。デポジット(保証金)としてクレジットカードの提示を求められるからです。デビットカードでは対応できない場合もあるので、海外旅行に行くなら1枚はクレジットカードを持っておいた方が安心でしょう。
また、海外での買い物もクレジットカードの方がお得なことが多いです。現地通貨に両替する手数料よりも、クレジットカードの為替手数料の方が安い場合があります。ポイントも貯まるので、一石二鳥ですね。
3. ETCカードや月額サービスはクレジットカードが便利
月額料金が発生するサブスクリプションサービスは、クレジットカードでないと支払えないことが多いです。
NetflixやSpotifyなどの動画・音楽配信サービス、Amazonプライムなどは、基本的にクレジットカード払いが前提になっています。デビットカードでも一部のサービスは利用できますが、対応していないサービスも多いので注意が必要です。
ETCカードもクレジットカードでないと発行できません。
高速道路を頻繁に利用する人には、ETCカードは必須ですよね。デビットカードではETCカードを作れないので、車をよく使う人はクレジットカードを持っておく必要があります。
ガソリンスタンドでの給油も、デビットカードが使えないケースが多いです。
給油前に正確な金額がわからないため、即時決済のデビットカードとは相性が悪いのです。一部のガソリンスタンドでは使えることもありますが、確実に使えるとは限りません。
こういった定期的な支払いや、デビットカードでは対応できないサービスのために、クレジットカードを1枚持っておくと便利です。日常的な買い物はデビットカード、月額サービスやETCはクレジットカードという使い分けをすれば、両方のメリットを活かせるでしょう。
4. 使いすぎが心配な人はデビットカードから始める
これまでカードを持ったことがない人や、お金の管理に自信がない人は、まずデビットカードから始めるのがおすすめです。
口座残高以上の買い物ができないという制約があるので、使いすぎる心配がありません。キャッシュレス決済に慣れながら、お金の管理方法を学べます。
デビットカードに慣れてきて、「もっとポイントを貯めたい」「分割払いを使いたい」と感じるようになったら、クレジットカードに挑戦してみるといいでしょう。
いきなりクレジットカードから始めると、使いすぎてしまうリスクがあります。段階を踏んで慣れていくのが安全な方法です。
また、両方を持っている人も、普段はデビットカードをメインに使うという選択肢があります。日常的な買い物はデビットカードで管理して、クレジットカードは緊急時や高額な買い物のときだけ使うという使い分けですね。
クレジットカードを財布に入れておくと、つい使ってしまうという人は、家に置いておくのも一つの方法です。本当に必要なときだけ持ち出すようにすれば、衝動買いを防げます。デビットカードという安全網がありながら、必要に応じてクレジットカードも使えるという状態が、一番バランスが良いのかもしれませんね。
まとめ
クレジットカードとデビットカードには、それぞれ異なる魅力があります。後払いで柔軟に使えるクレジットカードと、即時払いで安心なデビットカード。どちらが良いというわけではなく、自分のライフスタイルや性格に合わせて選ぶことが大切です。
両方を持っておいて、シーンに応じて使い分けるのが一番賢い方法かもしれません。日常的な買い物はデビットカードで管理しながら、高額な買い物や海外旅行ではクレジットカードの便利さを活用する。そんな使い方ができれば、お金の管理もしやすくなるでしょう。
これからキャッシュレス決済を始めようと考えている人は、まずデビットカードから試してみてはいかがでしょうか。使いすぎる心配が少ないので、安心してキャッシュレス生活をスタートできるはずです。

